こんにちは、モアナ母さんです。
先日、ヘルスケアセクターETF(VHT)について、紹介しました。
我が家では、ヘルスケアセクターの成長を期待して、VHTの投資を検討しています。
3月3日のスーパーチューズデーで、バイデン氏が躍進(バイデン氏が10州で勝利し、4州で勝ったサンダース氏を代議員数でも上回った)したことで、ヘルスケアセクター株が急伸したことは記憶に新しいですね。
今日は、VHTの投資に先立ち、米国の医療制度を理解した上で、大統領候補者(民主党バイデン、民主党サンダース、共和党トランプ)の政策を整理してみたいと思います。
結論として、VHTの投資タイミングは、株価が乱高下するイベントを避ければ早めに投資してよいと思っています。
医療制度の3つの種類とその特徴
米国の医療費が高いことは有名ですが、改めてその制度を理解してみます。
下記表に、日本、米国、英国が例となる、代表される3タイプの医療制度を比較します。
社会保険システムでは、各国とも、医療費の増加が国の財政問題になっています。
日本の社会保険システムについては下記の記事で詳細を説明しています。
ところで、米国で多くの国民は企業が保険料を負担し、民間の保険に入っているはずなのに、無保険者が17%もいるんだ!
もともとは、64歳以下の者のほとんどが、 事業主の提供する医療保険に加入していたんだけど、2000年以降、医療保険を従業員に提供する事業主が減少してしまったみたい。 (後述のオバマケアに関連)
【日本と米国の大きな違い】
医療機関で処方される薬剤や、医師などの人件費を含んだ手術などの価格を、
日本:すべて国が決定
米国:製薬会社や医療機関の意向による(自由競争の利点でもあり、超高額になる欠点でもある)
米国の医療制度と課題
米国の高額な医療費
自由競争で質の高い医療が受けられるようになる反面、「質の高い医療には高い報酬、質の高い薬には高い値段」というスタンスが、アメリカの医療費を高くしています。
下記表を見ても、国民1人当たり医療費しかり、医療費の対GDP比でも、米国が抜きんでて高いのがわかります。
オバマケアの現状と課題
オバマケアとは
高額な医療費を払えない、無保険者の増加に対し、オバマ前大統領が提案したのが、医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act :ACA)、通称オバマケアです 。
端的には、「国民皆が、民間保険に加入する義務を負う」制度です。
<オバマケア>
1.公的医療保険の範囲を拡大
貧困層の加入要件をゆるめ、より多くの人を対象
2.民間の医療保険に対する規制を強化
低所得者の保険料を国が補助
3.医療保険に入ることの義務化
加入しないと罰金的な課税
オバマケアが導入された結果、無保険者の割合は2010年の17%(およそ4400万人)から、2015年には9%ほど(およそ2900万人)にまで減少したとされています。
オバマケアに対する米国の現状
オバマケアは一見、国民にとってメリットが大きい制度と思われそうです。
しかし、 トランプ大統領は選挙中、このオバマケアの廃止を公約として掲げて当選し、現在も撤廃を支持している国民が少なくありません。なぜなのでしょうか。
- これまで保険料を支払ってきた人の不平等感
- 保険会社の補償の質低下
- 自由主義国での医療保険への加入義務に対する反発
1.低所得層には、持病などでが不健康な状態となる人が少なくありません。オバマケアによってこれまで持病のために保険に入れなかった人が入ってくることで、全体の保険料が上がってしまいます。
日本の制度そのものですが、歴史的に民間企業による医療保険が定着してきた米国では、受け入れられにくいのでしょう。
2.保険会社の給付金が多くなり、儲からなくなると、保険会社が給付率の低い保険を提供したり、高額の薬を保険の対象から除外する等で対応するケースが少なくなく、保障が不十分という問題も出てきています。
3.さらに、自由主義の米国で医療保険に入ることを国に強制されることに対する反発も大きいと考えられます。米国人の国民性が顕著に出ている意見ですね。
民主党候補の主張
こういった医療状況に、民主党代表候補のバイデン氏とサンダース氏はどのような主張をしているのでしょうか。
バイデンは、オバマ前大統領の副大統領を8年間務めたこともあり、オバマケアの維持と拡充を主張しています。
オバマケアの使い勝手をよくし、国民の選択肢を増やすことを検討しています。 具体的には、医療機関と製薬会社の癒着による薬品や療法の高額化を防ぐことや、トランプ政権によって撤廃された避妊費用の負担の復活など。
一方のサンダースはというと、米国人にとってもっと極端な法案を提示しています。サンダースの掲げる国民皆保険(Medical for All:MFA)の公約は、国民全てを対象とする無料の単一保険制度で、民間保険業者への脅威と受け止められています。
サンダースの政策は、その他の法案を見ても、極端に社会主義的です。(下記)
・低収入の高齢者や障害者などの1人当たりの社会保障給付費の年1300ドルの増額
・全市民への住宅保障
・就学前児童に対する無料の保育サービス
・公立大学などの無償化と既存の学資債務の弁済 …等。
ざっと見ただけでも、相当のコスト…
必要とされる財源として、ウォールストリートの投資家や最富裕層に対する増税を掲げていますが、理想論に近いのが難点。
確かに米国の貧困問題は軽視できません。2016年時点での米国の貧困率は17.8%(日本は15.7%)で、特に若者(18~24歳)の貧困率が最も高いと言われています。
学資ローン、大学教育無償化を掲げるサンダースは、格差社会に反感を持つ若者からの支持が高まる可能性は、十分考えられます。
トランプはどういう法案を出しているんだろう?
オバマケアの全面廃止を訴えているものの、代替案を提案できていないの。オバマケアの中で、「 既往症を理由にした差別を保険会社に禁じた条項」があるんだけど、これを支持する国民が多いので、 2017年も同法を廃止に追い込もうとして失敗。 2018年の中間選挙で共和党が苦戦を強いられる原因にもなったみたい。
大統領選によるヘルスケアセクターへの影響
スーパーチューズデーで、バイデン氏の優勢が伝えられた後、医療健康保険・管理医療関連株が軒並み上昇しました。
✔ Anthem:一時16%上昇。(取引時間中では、2008年10月以来の大幅高)
✔ Centene、Humana、SIGNA:2桁の上昇率。
✔ Health Care SPDR(XLV):1月22日の最高値から3月3日までに10%近く下落していたところ、一時5.9%高に。
医療保険株などヘルスケア銘柄は、サンダース氏の公約の「国民皆保険」が導入されれば、民間の医療保険への加入者が減り、保険料が低下すると懸念していました。
バイデン氏が優勢と伝えられたことにより、安心感から総じて上昇したわけですね。
まとめと今後
日本で当たり前となっている国民皆保険制度は、米国人にとっては受け入れがたく、脅威でもある!
事実、国民皆保険制度を導入している日本では、莫大な社会保障費が財政を圧迫していることが大きな社会問題です。
医療制度だけでなく、他の政策も総じての大統領選ですが、「民主的社会主義者」を名乗るサンダースの提案は、理想で莫大なコストが掛かる過激なものと考えられます。
おそらく、民主党ではバイデン氏が優性、仮にサンダースが民主党候補で残ったとしても、その場合はトランプ氏の再選が濃厚と思っています。
そう考えると、大統領選のイベントによって一時的に乱高下するタイミングを外せば、VHTの買い時はいつでも良さそうですね。
ただ、米国の大統領選なので、最後にどんでん返しが起こる可能性も否定できず、サンダースに傾くと判断した場合は、その前に一度売った方が良いかもしれません。
今日はここまで。アロハ~♪
コメント
このブログの管理人って、ピッフィーと同一人物?
いえ、全くの別人でございます。
発言が似ていると感じるかもしれませんが、それは私がピッフィーさんのブログを読んで勉強したためです。
過去のブログを見比べてみると、レベルの違いがわかると思います(泣)。