【SVF投資先】東南アジアのスーパーアプリ代表格のGrabを紹介!

ソフトバンクビジョンファンド
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こんにちは、モアナ母さんです。

大変ご無沙汰の、世界最先端のビジネスモデルを勉強するための、ソフトバンクビジョンファンドシリーズ。

モアナ母さん
モアナ母さん

SBG狂人のAI群戦略さんから、楽しみにしているとのうれしいコメントをいただき、書きたい精神を駆り立てられました。

第17弾となる今回は、GRABを紹介します。

12月2日にSPAQとの合併でNASDAQ上場しましたが、初日に株価急落のニュース・・・

しかし、この記事を読んだら、めちゃポテンシャルのある会社だと言うことが分かるはずです!(わからなかったら、私の力不足。)

それでは、どうぞ!

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【Grabの基本情報】

企業名Grab(グラブ)
事業内容配車アプリサービスかと思いきや、スーパーアプリを展開
創業2012年、Anthony Tan(兼CEO)& Tan Hooi Ling
展開国マレーシア発、東南アジア中心に展開(本社はシンガポール)
評価額396億ドル(約4兆3241億円)(2021年4月時点)1)

Grabは、当初はタクシー予約アプリとして始まりましたが、今はフードデリバリーや金融サービスなど、幅広い商品・サービスを提供するスーパーアプリに成長しました。

カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの8ヶ国、400以上の都市で事業を展開しています。

Grabは、ドライバーやレストランからのコミッション、プラットフォーム上の広告、そして紹介料、決済手数料などで収益を得ています。

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【Grabのビジネスモデル】

配車サービスからQR決済までのスーパーアプリ

Grabのアプリでは、1つのインターフェースを通じて、下記に示すような商品にアクセスできます。

Grab HP <https://www.grab.com/sg/>

Deliveriesは、レストランの注文システム、スーパーマーケットでの買い物、荷物や書類の配送などができます。

Mobilityは、タクシーなどさまざまな交通手段をオンデマンドで予約できるライドハイリングサービスです。

JustGrabいうタクシーや車の予約だけでなく、GrabHitch(他のユーザーと相乗りで最大40%の節約!)、GrabBike(バイクのライドシェア)、GrabFamily(高い安全機能を備えた車両)、GrabPet(ペットの輸送が可能なライドシェア)など、配車だけでも多彩なサービスです。

Financial Service   は、店頭での取引を可能にするデジタルウォレット(Pay)、旅行保険や交通保険(Insurance)などができます。( 金融サービスについての強みは、後ほど解説しますね。)

他にも、ホテルの検索と予約ができたり(Hotels)、バーチャルギフトカードが送れたり(Gift)、様々なサービスを展開しています。

モアナ母さん
モアナ母さん

このスーパーアプリのアイデアは、当初、中国で人気だった、テンセント社のWeChatとMeituanから得たものだったようです。

収益源のしくみ

Grabは、ドライバーやレストランからの収入、決済処理に伴う手数料、プラットフォーム上での広告表示、紹介料などを得ています。

例えば配車サービスにおいては、料金総額から約20%の割合を、買い物サービスでは、提携している加盟店の売上の一部を、それぞれ収益としています。

中でも収益に大きく貢献しているのは、GrabPayです。

GrabPayの小売業者は、各取引に対して1%程度の手数料ですが、Grabがユーザーの購買パターンなどの広範なデータを収集し、ユーザー固有の需要に合わせた製品を提供できることが強みとなってます。

Grabは、ユーザーが購入した商品を4回に分けて支払うことができる「Buy Now, Pay Later」というオプションも導入しています。

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【Grabの競争優位性】

AIへの投資戦略

AIへの投資に積極的な点は、競争優位性として評価できるでしょう。

例えば、ジャカルタのラッシュアワー時の交通渋滞は恒常的な社会問題となっています。

Grabは同社が保有する膨大な交通データの分析や地図作成(マッピング)にAIの利用拡大を進めています。

配車サービス業界で、世界的に運転手による不正行為が報告されている中、Grabは、同社が展開する配車事業における不正行為の発生率を1%以下を維持しています。

ここに、AIを利用して不正を探知する方法を開発し、リアルタイムに監視できるモニタリングシステムを導入して、運転手の特異なルート変更などを察知できる方法を検討しています。

また、配車、購買、金融などマルチサービスを展開する中で取得できる顧客のビッグデータを活用する上でも、AIへの投資は必至だと思います。

AIの利用に関しては、GAFAから転職してきた多くのエンジニアや、データサイエンティスト、デザイナーが、Grabの8つ研究開発拠点と連携しながらアプリ開発を進めています。(エンジニアを含むテクノロジー系人材は2000人以上)

モアナ母さん
モアナ母さん

「AIは今後、東南アジアの多くの人々の生活を豊かにしていくだろう。我々が持つデータを有効に利用し、AIをあらゆるところに活用できる企業を目指している」とGrab担当者は述べていたけど、この考え方は、まさにSBGのものと一致!

Grabは2019年末時点で、過去1年で1億ドル(約108億円)を超える資金をAI関連に投資し、翌年では、AI分野における投資額を1億5000万ドルまでに拡大する方針を示していました。

アロハ父さん
アロハ父さん

意外と少ない気がするなぁ。

もっと増やしているかもしれないけど。

参考記事:佐藤茂、” 「Grab」をスーパーアプリに変えたハイパーローカル戦略──2020年はAI戦略で企業価値2兆円越えか”, 2019年12月12日, https://www.coindeskjapan.com/29480/

政府お墨付きの金融サービス

利益率の高い、GrabPay(Financial Service) は、Go-Jek、Lazada、Shopeeなど、多くの競合企業がいる中で、いかに東南アジアでトップシェアを握れるか、重要な事業分野です。

2020年末、シンガポール通貨金融庁は、4企業に、デジタルバンキングのライセンスを与えましたが、そのうちの1つにGrabも選ばれています。(Shopeeを運営するSea、アントグループも含まれます)。

モアナ母さん
モアナ母さん

政府承認の完全に規制された銀行となれるわけね!
※2022年~の予定。

東南アジアでは、3億人近くの人々が銀行サービスを利用できないので、多くの顧客にとって初めての銀行口座になる可能性があります。

今後、ローンの発行や当座預金の提供など、より多くの金融サービスを展開していけば、金融サービスとしても網羅されたアプリへの成長が期待できますね。

多くのマーケターとの提携による広告料の獲得

Grabのエコシステムは、毎日何百万人もの人々に利用されています。また、ユーザーの購入パターンやお気に入りの目的地などの嗜好を把握しています。

Grabによると、ユーザーの60%以上が1回のセッションで取引を完了しているようです。

モアナ母さん
モアナ母さん

データから需要を予測できるから、広告主は、購買意欲の高いユーザーにリーチすることができる!これもAI投資あってこそ!

Grabはこれまでに、Nike、Apple、McDonald’s、Disney、Unilever、Coca-Colaなどのマーケターと提携しています。

Grabは、車内にサンプルを置いたり、車にステッカーを貼ったりするなど、オフラインでの広告を行うなどの工夫もしています。(もちろん広告料として収益になっているでしょう。)

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【Grabの将来性】

グーグルとテマセク、ベインキャピタルが11月に合同で発表した調査結果によると、東南アジアは世界で最も急速に成長している地域の一つであり、今年のデジタルエコノミーのGMV(流通取引総額)は、前年比49%増の1740億ドルに達する見通しといわれています。

さらに、2025年までに3630億ドルに成長し、2030年には1兆ドルを超えると予測されています。

モアナ母さん
モアナ母さん

東南アジアは若い人も多く、まだ人口増加が続くと言われているしね!

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【Grabの課題】

Grabは、11月の第3四半期決算報告で、損失が前年同期から3億6600万ドル増加して、9億8800万ドルになったことを発表しました。

やはり、新型コロナの影響は否めなかったようで、 たとえばベトナムでは第3四半期のほとんどの期間、モビリティーおよびフードデリバリーサービスを停止し、主要な市場である6カ国では厳しい移動制限が課されていました。

IPOが1度延期された経緯や、コロナ禍の業績低迷が、上場後の株価急落の結果になったとも言われています。

ただ、先に述べた金融部門でのサービスなどは2022年以降、開花してくると思うので、スーパーアプリが本領を発揮するのはこれからだと思っています。

あとは、Go To(GojekとTokopediaの合併企業), Sea(東南アジア最大のIT企業)など、競合との戦いに注目です。

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【Grab】まとめと所感

一番驚いたのは、金融サービスですね。

ただの配車サービス、フードデリバリーなんてとんでもない!

モアナ母さん
モアナ母さん

顧客の「信用」までデータとして握られている点においては、アントグループに近いのかも・・・? Grab恐るべし!

スーパーアプリは、顧客側も使い慣れることで、リピートし、企業側も顧客のデータをフィードバックしやすく、それが正のスパイラルを生んで行くような気がします。

久しぶりのSVF投資先の紹介、いかがでしたでしょうか?

私は楽しかったので、また時間を見つけて書きたいと思います。

アロハ~♪

参考文献

主に、こちらを参考にしました。(詳細まで、とてもよくまとまっていました!)

他に参考にした記事↓

Romain Dillet, Nariko Mizoguchi, “世界最大のSPAC合併で配車サービスGrabがNASDAQ上場へ”, Tech Crunch, 2021年4月14日
https://jp.techcrunch.com/2021/04/14/2021-04-13-Grab-to-go-public-in-the-us-following-40-billion-spac-deal/

 佐藤茂、” 「Grab」をスーパーアプリに変えたハイパーローカル戦略──2020年はAI戦略で企業価値2兆円越えか”, 2019年12月12日, https://www.coindeskjapan.com/29480/

 Jonathan Burgos 著,上田裕資編, “東南アジア1兆ドル経済圏を狙う「Grab」の米ナスダック上場”, Forbes, 2021年12月6日
https://forbesjapan.com/articles/detail/44726/1/1/1?s=ns

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