こんにちは、モアナ母さんです。
我が家は、将来有望なAIカンパニーへの投資会社「ソフトバンクG」の株を2000株保有しています
世界最先端のビジネスモデルを勉強するための、ソフトバンクビジョンファンドシリーズ。
第16弾となる今回は、Klarna(クラーナ)を紹介します。
先日の、ソフトバンクG決算説明会で紹介されていて、とても気になりました♪
Klarnaは、2005年に2人のスウェーデンのビジネス学生によって設立された、金融プラットフォームです。
すでに総額37億ドルを調達、評価額は456億ドルに達し、ヨーロッパで最も評価の高いFinTechスタートアップです。
【Klarna(クラーナ)の基本情報】
企業名 | Klarna(クラーナ) |
事業内容 | 金融プラットフォーム(決済サービスプロバイダー) |
創業 | 2005年、Sebastian Siemiatkowski, Niklas Adalberth |
展開国 | スウェーデン発、14ヶ国以上に展開 |
CEO | Sebastian Siemiatkowski |
評価額 | 456億ドル(2021年6月) |
Ant Groupも投資しているみたい!
【Klarna(クラーナ)のビジネスモデル】
Klarnaは、小売業者(主にEコマース分野)と提携し、消費者の買い物に対して、“Buy Now, Pay Later”という、顧客が商品を試してから後払いできる斬新なオプションを提供しています。
買い手と売り手からリスクを取り除きながらも、収益を確実なものとするwin-win-winのビジネスモデルが気になりますね。
【消費者のメリット】後払い、無利息の決済サービスプロバイダー
消費者は、直接支払い(しかも最大30日後)から複数の無利息期間まで、さまざまな支払い方法を選択できます。
4回の分割払いをする場合は、ソフトクレジットチェックが行われるだけです。
クレジットヒストリー(支払い履歴)や、それに基づくクレジットスコアなどの信用度チェック(ハードクレジットチェック)をクリアできれば、大きな買い物をする際に、最長36ヶ月のランレートと複数回の分割払いによるファイナンスも可能です。
高い買い物をしても、無利子で後払いができるので、購買意欲は高まりそう!
支払いは、オンライン(PayPalなど)、銀行振込、またはKlarnaモバイルアプリで行うことができます。
Klarnaは、クレジットスコア、購入履歴、閲覧履歴から、AIを使って、与信枠を設定したり、パーソナライズ広告を打ち出すことで、個人に最適化された買い物を提供できます。
個人の信頼度と購買意向のビッグデータを保有する、まさにアリペイと同じ戦略ですね!
【小売店のメリット】マージンのための単価を上げても注文数が増加
顧客は後払いですが、提携している小売店には、Klarnaがタイムリーに支払います。
その代わりに小売店は、Klarnaに対して収益の一部を提供します。
小売店のメリットとしては、Klarnaを決済ソリューションとして利用することで、注文数(=コンバージョン率)が44%増加し、注文量が68%増加すること。
また、小売店にとっては、顧客の支払いに関係なく、売買成立の段階でKlarnaがすでに支払いをしている点も大きなメリットです。
さらに、Klarnaは小売店に売上向上のためのツール群も提供しています。
ビジネスインサイト(注文数、週間売上、コンバージョン率などの指標を分析するダッシュボードツール)や、オンサイト・メッセージング(顧客からの緊急の質問に答えることができるチャットツール)です。
小売店にとって、「顧客の情報とコミュニケーション」のサポートはありがたいはず!
Klarnaの収益モデル
Klarnaは、加盟店手数料、遅延損害金、消費者ローンの金利、交換手数料、現金の金利などで収益を上げています。
Klarnaの収益の大部分は、小売店に固定の取引手数料と可変のパーセンテージの手数料を請求することで得られます。手数料は支払い方法や国によって変わります。
すぐには支払えない高額な買い物ができるように、顧客にチャンスも与えるけど、期限を守れない場合の請求額はかなり厳しくしているってことね。
他には、決済プロバイダーのVisaと協力して、無料のデビットカードを発行し、それを利用して支払いしたときの手数料(未公表)や、銀行などの他の機関に現金を貸し出ししたときの利鞘を収入としています。
【Klarna(クラーナ)の将来性】
AIを活用したクレジット判断と購買のパーソナライズ化によって、顧客の購入頻度や購入額は増加しました。
顧客のリピート率が増えていくことで、Klarnaにもクレジットスコアと購買歴のデータが溜まっていきますね。
購入金額も40%増えるなら、Klaranaと提携したい小売店も増えていくでしょう。
いまKlarnaは、約9,000万人以上のユーザーを持ち、提携している小売店も25万店、取引回数は200万回/日を超えています。
2020年の取扱高は6.3兆円です。(2019年から40%の増加)
ビジネスモデルからは、今後ますます取扱高の増加に伴い、収益も増えていくと予想できます。
【Klarna(クラーナ)の課題】
Klarnaは、これまでに消費者団体や借金問題の慈善団体から、同社が不適切な金融判断を助長し、結果的に多額の負債を抱えることになったと何度か批判を受けています。
実際に、Klarnaのビジネスモデルでは、消費者が支払えない、あるいは支払う意思がない場合には、債権回収会社に委ねざるを得ません。
2021年1月、英国政府は、Klarnaのような「Buy Now, Pay Later企業」は今後、より厳しい規制の対象として、背景や信頼性のチェックを強化すると発表しました。
こういった規制を受けて、Klarnaは、ドイツの顧客向けに銀行口座を開設するなど(2021年2月)、顧客の利用可能な資金、財務諸表、給与などの概要、ユーザーのクレジットスコアや債務不履行の可能性をより適切に評価できるよう、金融のスーパーアプリ化も進めています。
まさに、アリペイ!
【Klarana(クラーナ)】まとめと所感
今回は、ソフトバンクの決算説明会で、孫さんも「ずっと投資したかった」と紹介されていてたKlarnaについて調べました。
パーソナライズ化された購買体験は、今後ますます需要が高まっていくと思うし、それを個人の信用データと紐付けた決済システムは、顧客も小売店も、Klarnaもハッピーになれるビジネスモデルだと思います。
すでにEtsy、H&M、Calvin Kleinなど多数のブランドですでに取り入れられていますが、今後Klarnaを利用していきたいと思う顧客も小売店もふえていくのではないでしょうか?
今回も、ワクワクする企業でした!
アロハ~♪
参考文献
Victor, “The Klarna Business Model – How Does Klarna Work & Make Money?”, July 5, 2021, Productmint, https://productmint.com/the-klarna-business-model-how-does-klarna-make-money/
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