モアナ母さんです。
ソフトバンクビジョンファンドシリーズも7社目。
ソフトバンクビジョンファンドの投資先の企業について調べること、その目的は下記のとおり。
- ソフトバンクGへの投資に、より自信を持てる!
- 世界最先端のビジネスモデルを勉強する!!
- 将来の夢である「家族ビジネス」の起業に活かす!?
もはや、afterではなくwithコロナとなった今、コロナを逆手にビジネスを成長させている企業が、今後も伸びていきそうですね。
本日は、米国のAIフィットネス企業、Tempoを取り上げます。
つい最近、SoftBankが主導するシリーズCの資金調達で、2億2,000万ドル(約235億円)を調達したことが報道されました。
Tempoは、家庭でできる筋トレを中心としたエクササイズを提供するサービスをビジネスとしています。
AIによるビッグデータを巧みに活用したビジネスモデルに注目です。
AIを利用している時点で、かなり期待がもてますね!
それでは、どうぞ。
Tempoってどんな会社?
Tempoは、人工知能(AI)を活用したホームフィットネス事業を展開しています。
CEOはMoawia Eldeeb。(画像はTwitterより)
イケメンなのはもちろん、彼のTempoを設立するまでの道のりがすごいの!
中学生の頃、家計を支えるためにクイーンズのピザ屋でアルバイトをしていたが、家が火事になり、一家はホームレスに。赤十字のシェルターで暮らしながら、Eldeebは無料のジムでトレーニングをしながら、高校の最後の2学年を1年で終えた。
その後、フィジカルトレーナーをしながら、コロンビア大学でコンピュータサイエンスの学位を取得。卒業後、パーソナルトレーニングやフィットネスをより身近なものにすることを目的に、同じ学科のJosh Augustineと、Tempoを設立。
コンピュータサイエンスの学位を取っていて企業するところは、まさにスタートアップっぽいね。ビジネスモデルが気になる~!
【Tempoのビジネスモデル】テクノロジーを駆使したホーム・フィットネス
<背景>運動はしたいけど、ジムに通えない人々
我が家は、ジムに通わずに週末のジョギング程度しか運動していませんが、体力の維持には努められても、筋肉はなかなかつきません。
自己流では難しく、ケガもしやすいと言われる筋トレ。
筋力つけるためには、やっぱりジム通いが必要になるのかな?
しかし、米国には実際、5,600万人がジムの会員になっているようですが、そのほとんどが目標を達成できていないのが現状です。1)
「ジムに通うのが億劫」、「人に見られてトレーニングするのが苦痛」など、モチベーションも維持しにくい上に、きちんとしたトレーナーをつけると費用も嵩むなど、理由はさまざまです。
そんな中、Eldeeb氏は、自身のトレーナーとしての経験を活かし、パーソナル化、設備、コミュニティを提供し、ジム市場の最大のセグメントであるウェイトトレーニングと高強度(HIIT)トレーニングを家庭で実現できるビジネスをスタートさせたのです。
3D動作解析とAIで自宅での筋トレをサポート
イメージはこんな感じ。(1分半ほどの動画です。)
自宅なのに、ジムにいるみたい!!
まず、自分のフォームが大型のスクリーンに映し出されます。
3D赤外線センサーによって、ユーザーの動きに追随する8万点の身体モデルを作成し、25の重要なピボットポイントに(関節)に焦点を当てることで、遠隔にいるトレーナーがフォームを追跡することができます。
3Dモーションキャプチャーシステムと人工知能を搭載しているため、リアルタイムでフォームのフィードバックが受けられる仕組みです。2)
ここまで本格的にやるには、一連の道具をそろえることになるよね?
小道具やアクセサリーの関連機器を同時に販売
Tempo社が2020年2月に発売した自立型キャビネットには、42インチのタッチスクリーンと3Dモーショントラッキングカメラが搭載されており、ユーザーがワークアウトする際に一貫してスキャン、トラッキング、コーチングを行えます。
また、バーベル、ダンベル、折りたたみ式ベンチ、ケトルベルシステム、スクワットラック、ワークアウトマット、リカバリーフォームローラー、心拍数モニターなどのアクセサリーを購入できます。
ベンチやダンベル、ケトルベルは、「入荷待ち」だって。配送の遅れは現在5~7週間に及んでいるみたい。
月額39ドルのサブスクリプションモデル
月額39ドルで、オンデマンドやライブのクラスに無制限にアクセスすることができます。
(※ライブのトレーニングクラスにアクセスするには、最低でも1年間の契約が必要。)
関連機器とサブスクリションでの遠隔トレーニングを組み合わせているので、虜になった人はずっと続けるだろうし、収益化のモデルとしては安定といえそうです。
事実、過去1年間で解約はゼロ、売上は10倍に伸びています。
【Tempoの将来性】AIによるビッグデータ×ホームフィットネス
競争優位性はスマートスクリーンで取得するビッグデータ
Tempoのコンセプトは、2015年にEldeebとAugustinがSmartSpotを開発したときに生まれました。
SmartSpotは、コンピュータビジョンを活用したスマートスクリーンです。
トレーニング中の人の体を3Dカメラで撮影し、自分のフォームを見たり、トレーナーが分析できます。(先ほどの3Dキャプションですね!)
当初、それをジムに販売していたのですが、Eldeebたちは、このSmartSpotで生成・収集された膨大なデータをもとに、フィットネスユーザーの最も一般的な動作エラーを特定し、機械学習を活用して個々のユーザーに独自の提案を行うプログラムを開発したのです。3)
契約者数が伸びれば、データがどんどん収集されて、パーソナライズ化されたデータもますます最適化されていくよね!
家庭用フィットネスソリューションの需要拡大
2020年初頭に予約受付を開始して以来、コロナ禍に直面したこともあり、Tempoの売上は10倍となりました。
Tempoのユーザーは、これまでに500万回のワークアウトを行い、デバイスの使用時間は4万時間に達しているようです。
2025年にはスマートフィットネスデバイスの世界市場が294億ドルに達すると言われている中、Tempo社にとって、規模拡大のチャンスは非常に大きいと言われています。3)
【Tempoの課題】リアル店舗のジムと競合の存在
全米でワクチン摂取率も着実に進み、ジムが再開されつつあります。
自宅でのフィットネスを続けるのか、ジムに戻るのか…?
ホーム・フィットネスではといえば、Pelotonも有名だよね?
Pelotonはいまや時価総額370億ドルを超える企業。でも「筋トレ」は取り扱ってない。有酸素運動よりも自己流でやることが難しい筋トレに主軸に置いているところがTempoの強みかな。
Pelotonのほかにも、Tonal、Echelonといった他の家庭用フィットネス企業も出てきてるし、市場も伸びるので、今後も注目です。
またまた面白いAI企業を見つけられました。
次の企業もお楽しみに!
アロハ~♪
参考文献
- Wayne Hu, “Tempo CEO Moawia Eldeeb: Homeless to $220M for in-home fitness”,Apr4,2021. https://signalfire.com/blog/tempo-raises-220m/
- 大津陽子,AMP, “もうジムはいらない?動作解析やフィードバック、声掛けまで 「ホーム・フィットネス」はパーソナライズ&テクノロジーへ”, Dec17,2020. < https://ampmedia.jp/2020/12/17/home-fitness/#3D%E5%8B%95%E4%BD%9C%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%81%A8%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E7%9F%A5%E8%83%BD%E3%81%A7%E8%87%AA%E5%AE%85%E7%AD%8B%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%92%E3%82%B5%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%8CTempo_Studio%E3%80%8D>
- JP Mangalindan, April 13, 2021. “Home gym startup Tempo raises $220M to meet surge in demand for its workout device.”https://techcrunch.com/2021/04/13/home-gym-startup-tempo-raises-220m-to-meet-surge-in-demand-for-its-workout-device/
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