【ガーダントヘルスの将来性】「AI×血液検査」のビジネスモデル

ソフトバンクビジョンファンド
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こんにちは、モアナ母さんです。

私たちのPFのメイン(22.8%;2023年1月1日時点)を占めているソフトバンクグループ。

ソフトバンクグループの株価は、短期での変動は激しいですが、ソフトバンクビジョンファンドの投資先は、将来性の期待できる企業ばかり。

ソフトバンクビジョンファンド1の上場投資に入っていた、ガーダントヘルスは、2021年2月頃のピークのあと、株価はだだ下がり。

ソフトバンクグループも既に売却済み(いいときに売ったと思う!)ですが、がん遺伝子検査のためのリキッドバイオプシーを開発・商品化し、がん撲滅を目指すカンパニーとして、生活者としても期待したいです。

血液検査によりがんの早期発見、克服を目指す「Guardant Health(ガーダントヘルス)」について紹介します。

モアナ母さん
モアナ母さん

前から、ガンの血液検査って気になってたんだよね。

ガーダントヘルス社は、2013年に設立したばかりの、スタートアップですが、孫さんは同社の技術に早くから目を付け、ビジョンファンドを通じて投資していました。

モアナ母さん
モアナ母さん

2020年12月末時点で、投資額に対して8.9倍の成長率で+$2,420mil(=2,500億円)の利益を出した会社です。

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ガーダントヘルスってどんな会社?

まずは2017年のSoftbank worldでの基調講演をご覧下さい。(51分45秒~)

世界の死亡原因の2位である「がん」。これは遺伝子の病です。

患者さんの遺伝子を解析することで、がんの原因となっている遺伝子を特定し、がんの薬剤や治療方法を選択することが可能になります

従来は、がん細胞の遺伝子情報は、内視鏡を用いた検体や手術で切除した腫瘍組織に依ってしか確認できませんでした。

ガーダントヘルス社は、遺伝子解析に掛かる時間、コスト、患者への負担をすべてを改善した「リキッドバイオプシー(液体生検)」を世界で始めて発売した会社です。

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リキッドバイオプシーによる遺伝子検査の有用性は?

【メリット】従来の組織生検に比べて、安い!早い!安全!

ガーダントヘルス社は、リキッドバイオプシーという手法によって、細胞を採取する際の痛みをなくし、安価でスピーディな検査を可能にしました。

リキッドバイオプシーは、従来の組織生検に比べて、①コストが安価、②検査期間の短縮、③検査が簡便で安全という特徴があります。

今まで、4週間以上掛かっていた検査が7-10日以内で、$15,000(約160万円)掛かっていたコストも1/3以下でできるという革新的な進歩

何よりも、これまでの組織生検で深刻な問題だった、出血や感染、術後の合併症のリスクを回避できることが最大のメリットではないでしょうか。

モアナ母さん
モアナ母さん

たとえば、肺がんなら気管支鏡を気道に挿入しなければならないのですが、米国では、気管支鏡で5人に1人が気道を損傷し、回復処置に平均100万円以上の医療費が掛かるとのこと。1)

血液検査では、こまめな経過検査が可能なことも、大きなメリット。

がん細胞の特徴として、その姿を刻々と変えるためです。ガーダント社の論文によれば、半年経つと全遺伝子の4割がすっかり姿を変えてしまったりするとか。

遺伝子の変化を時間とともに解析することで、タイミング良く、効果的な治療を受けることが可能になりますね。

【デメリット】リキッドバイオプシーの課題は?

リキッドバイオプシーの課題としては、擬陽性(実際はがんが発生していないが、がんのDNAが検出されること)の診断リスクや、検査感度が高すぎることによる、増殖しない(悪影響のない)がん細胞まで検出できてしまうことがあります。

モアナ母さん
モアナ母さん

リキッドバイオプシーの技術がまだ新しいために、今後の課題とされているけど、次の章を読むと、課題を乗り越えられる期待がもてる!!

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ガーダントヘルス社の強みは?

AIによる網羅的なDNA解析手法でビッグデータを取得

モアナ母さん
モアナ母さん

ソフトバンクGが出資していたことから勘づかれた方もいるかもしれませんが、血液からのDNA解析の手段にAIが使われています。

ガーダント社の開発したシステムでは、AIにより、患者から採取した血液中の遺伝子情報把握し、癌細胞を発見します。

2014年のサービス開始以来、Guardant360は6,000人以上のがん専門医から100,000件以上の検査を受注し、50以上の臨床試験を実施してきました。2)

血液には様々なモノが含まれていますが、多くのがん患者の血液を解析し、そのデータを学習させてノイズを消去し、精度を高めることに成功

2019年時点で、最初の製品であるGuardant360で、99%以上の特異度と85%の感度を示しています。2)

モアナ母さん
モアナ母さん

2017年に、CEOのHelmy Eltoukhyは、5年以内に100万件の解析を実現すると語っているから、今ではさらにデータも蓄積されて、精度と検出感度が上がっているはず!

AIを使っているからこそ、様々なパターンを学習させて最適化できたというわけですね。

ビジネスモデルが肝!創薬とのプラットフォーム戦略

一般的な検査薬と異なり、検査結果を製薬開発にフィードバックできるところが、ガーダントヘルス社のビジネスモデルの強みといえます。

ガーダント社には、Guardant360(世界をリードするリキッドバイオプシー、73種類のがんを検出!)とバイオ医薬品の顧客向けのuardantOMNIの2つの商用製品、さらに2つのパイプライン製品(LUNAR1と2)があります。

モアナ母さん
モアナ母さん

自社製品だけで、早期発見→治療薬選択→モニタリングまで、一気通貫でデータを管理できるところも強いね!

ガーダント社は、これら4つの主要製品により、患者さんの大量のサンプルからバイオバンクを構築し、ガン細胞のマッピングを行うことで、あらゆるステージのがん患者のための新薬プラットフォームを築くことができると考えられます。

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ガーダントヘルス社の将来性は?

モアナ母さん
モアナ母さん

ガーダント社は、Guardant360とGuardant OMNIにより、ガン患者のゲノム状態をプロファイリングし、ビッグデータとすることできるので、創薬事業に大いに貢献できると思います。

がんワクチンの市場規模は2023年には76億1000万米ドル(≈8000億円)に到達する3)とも言われ、がん罹患率の上昇でさらに需要も押し上げるでしょう。

日本でも、がんが遺伝子の病であることが明らかになってから、2019年に「がんゲノム医療」が動き始め、保険収載され本格的な「テーラーメイド型医療」が始まっています。

例えば、発症臓器が同じでも、「遺伝子の異常」は患者ごとに異なるので、リキッドバイオプシーを活用した網羅的がん遺伝子解析が必要なのです。

モアナ母さん
モアナ母さん

ガーダント360による遺伝子検査は、四国がんセンターでも取り入れられています。費用は40万円+税です。

競合としては、米ファウンデーションメディシン社のFoundationOne Liquid CDx(リキッドバイオプシー)も米国承認されていますが、ガーダント社の検出感度の方が10倍高いという報告も。

AIを巧みに使ったデータ解析を進め、創薬とのプラットフォーム化を実現して欲しいです!

アロハ~♪

※参考記事※

  1. “がんの変異、血液検査で一網打尽”, 日本経済新聞, 2018年3月9日, https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27868990Y8A300C1X13000/.
  2. J.Elkington, “Surveying great inventors and businesses”, Axial – Guardant Health”, Axial, Aug 2, 2019, https://axial.substack.com/p/axial-guardant-health.
  3. “がんワクチンの市場規模、2023年には76億1000万米ドルに到達見込み がん罹患率の上昇が市場の需要を押し上げる”, 株式会社グローバルインフォメーション,2021/1/22, https://www.value-press.com/pressrelease/262721.

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