こんにちは、モアナ母さんです。
我が家は、将来有望なAIカンパニーへの投資会社「ソフトバンクG」の株を2000株保有しています。
今回は、久しぶりの「ビジョンファンドシリーズ」。
ソフトバンクビジョンファンドの投資先の企業について調べること、その目的は下記のとおり。
- ソフトバンクGへの投資に、より自信を持てる!
- 世界最先端のビジネスモデルを勉強する!!
- 将来の夢である「家族ビジネス」の起業に活かす!?
本日、取り上げるのは、米国の不動産テック、Opendoor technologyです。
近い将来、引っ越しに対する価値観が変わってくるかも??
Opendoor technologyってどんな会社?
簡単に言うと、オンラインで物件の買取再販を行う会社です。
設立は2014年、サンフランシスコを拠点としています。
創業から2年8ヶ月でユニコーン企業となりました。
CEOは、Eric Wuで創業者の1人でもあります。
37歳ですって。
2020年9月、同社がSPACを利用して株式公開することが発表され、話題になりましたね
(Chamath Palihapityaが率いるソーシャルキャピタルHedosophia IIと提携)。
2021年4月時点の時価総額は約10.6B$(約1.1兆円)になります。
【Opendoorのビジネスモデル】AIを活かした不動産の売買
<現状>家を売ることへの負担は大きい!
そもそも、オンラインで物件の取引をオンライン上で解決できるなんて、日本では想像しがたいですよね。
ふつう、物件の買取では、
売却の相談→物件の確認・査定→媒介契約→売却活動(内覧)→申し込み→売買契約→手続き→決済、引き渡し・・・()´д`()ゲッソリ・・・
最低でも、数ヶ月は軽くかかりそうですね。
しかも、内覧の度に、掃除して、でも、結局購入見送りだったり。 やっと決まっても、買い手のローン審査が落ちちゃったり、値下げ交渉されたり・・・。
内覧中においては、いま売却中であることが近所にバレバレだし(TдT)
価格と期間のトレードオフに苦しみ、「家を売る」ことへのストレスがハンパないことは、容易に想像がつきますね。
「家の売却を簡単にする」という斬新な発想
この、ストレスフルで時間のかかる売却プロセスが、Opendoorを使うと、査定・買取・入金がオンライン上であっというまに完了します。
よかったら、こちらのCMを見てみてください。
HPを開くと非常にシンプルなことがわかりますね。
簡単なステップは、下記の通り。(1)参照)
- 「Opendoor」のHPから、自分の家の住所を入力。
- 家の基本情報(築年数、修繕・増築履歴)を入力。
- 入力完了から、24 ~48時間以内にメールで仮オファー(購入の申し出)。大まかな査定額(物件の費用、手数料、クロージングコストの内訳)が送付される。
- ホームアセスメント(無料)を予約し、修繕などの有無を確認。(必要な場合は、査定額から差し引く)
- クロージング日(~60日)を決めて、その間に引っ越す。退去の際はオンラインでチェックアウトすればOK。
ほとんどのアメリカ人は、同時に2つの住宅ローンを組むことができないため、次の住宅を購入する前に家を売却しなければなりません。
また、売却前に理想の家が現れた場合、すぐに現在の家を売却する必要があります。
そのような環境のなか、「すぐに、簡単に、家を売ることができる。」ことが、大きな価値になるのでしょう。
価格査定のスピードの鍵はAIのアルゴリズム
Opendoorの査定がスピーディーに行われる理由は、大量のデータ(市場データ、不動産業者からの入力、家の特徴など)からのディープラーニングによる価格査定アルゴリズムを活用しているためです。
世の中にまったく同じ家は存在しないため、従来、住宅の価値は、最近販売された近隣の類似した住宅の一握りを見て算出されていました。
Opendoorは、より早く、適正な価格を算出するために、さまざまな情報(評価モデルのデータ×売却者のアップロードした住宅に関する情報)を処理するAIの技術を活用しました。
AI技術によって、大幅な時間短縮と透明性をもたらすことを可能にしたってことだね。
Opendoorの収益化モデル
Opendoorは、買い取った家を売って利益を得ることを基本としてます。
販売者手数料は、6~14%。
6%が一般的と言われる中、高い手数料を取ることができる理由は、利便性とスピード。
詳しくは、次章に書いてます。
同社はさらに、住宅ローンの金利からも利益を得られます。
【Opendoorの将来性】競争優位性はあるのか?
売却における強みはとにかく「簡単、即時」
売り手の願望である、「できるだけ高く、早く売りたい」という条件は、トレードオフの関係です。
Opendoorは後者の「多少安くてもいいから、今すぐ買い取ってほしい」層を、メインターゲットとしています。
市場の15%が、3D(Debt: 借金、Devorce: 離婚、Death: 死別・相続)を理由に売却する層だと見積もると、ターゲット市場は20兆円規模という高いポテンシャルを見込めると考えられます。2)
「簡単に、すぐ売れる」というコンセプトの需要が非常に高いから、Opendoorの見積価格がマーケットの実勢価格よりも低く、販売手数料が高くても、売買が成立しやすいんだね。
物件の売却と購入を同時に行えるメリット
Opendoorのサービスは、「家の売却」だけに留まりません。
Opendoorでは、家の購入と売却を同時に行うことができます。
Opendoorが購入した物件は、独自のマーケットプレイスで広告されます。(モバイルアプリでバーチャルに見学することも可能!)
上位概念に、マーケットプレイスを構築したことで、より多くの購入希望者を取り込む(ピーク時には毎月100万人以上のビジターが来訪)ことが可能です。3)
買主への手厚い保証もサービスの特徴として挙げられます。
✔If you don’t love it, return it”:実際に住んでみて、納得がいかない物件は、90日以内であればキャッシュバックを要求できる。
✔電気系統や主要な家電製品には2年間の保証が上乗せ。など。
売却~購入、引っ越しまでのプロセスを全て担うことで、「転居」のハードルを大きく下げようという目論見だね。
ビジネスの範囲は「購入体験全体」
物件の売却と購入をあわせもつことに加え、住宅購入者は、オープンドアのホームローン事業部を通じて、オープンドアからお金を借りることができます。
30億ドル以上の負債を調達しており、これにより、住宅購入を促進すると同時に、これらのローンを提供することができるのです。
実際に、Opendoorは「保険、修理、融資などの他のサービスを統合することで、引越しのコストを下げ、プロセスをより効率的にする」と謳っており、引っ越し全般におけるサービスを提供しているといっても過言ではないでしょう。
【Open doorの課題】他社が追従できないビジネスに進化できるか?
米国での不動産テックは、「ZORC」の総称を持つ4社がしのぎを削っています。
Zillow、Opendoor、Redfin、Compassです。
特に、Zillowは、アメリカの不動産情報サイトの最大手といわれており、買取再販事業の先駆者であるOpen doorに後追いで本格参入しています。
HPも非常にシンプルな点が似ています。
当然、OpendoorもZillowを意識しているわけで、Zillowを含め他社との比較をHP上に明示しています。
顧客へのサービスが手厚いことをアピールしていますね。
一強にはならなくとも、すでに多額の資金調達も行われていることからも、投資家からの期待は高いと言えそうです。
顧客自身が、「引っ越しと言えば、Opendoor」というブランディングができあがれば、絶対に強いと思う。
Opendoorの成功は、シェアを伸ばせるかどうかにかかっていそうだね。
今は手数料が高いけど、顧客数が増えてシェアを伸ばせれば、手数料も競合以下に下げられる。
そうすると、「早くて安い」という他社が追従できないビジネスに進化させられるね。
まとめ
米国の不動産テック、Opendoorについて取り上げました。
日本の不動産業界がどれだけアナログかを思い知らされたわ。
不動産テックの波が日本にも来れば、人の流動性がもっと高まりそうだね。
コロナの影響もあり、都市部から地方への移動も進みそうだし、日本にも早く導入されて欲しいな。
そして結論。ソフトバンクグループの投資先は、すばらしい!!
今日はこの辺で、アロハ~♪
参考文献
1)Viktor, “The Opendoor Business Model – How Does Opendoor Make Money?”, March 20, 2021.
https://productmint.com/the-opendoor-business-model-how-does-opendoor-make-money/
2)市川 紘, “今、米国の不動産テックで一番ホットな「iBuyer」とは”(前編、後編) ,Aug 3, 2018.
https://coichikawa.medium.com/%E4%BB%8A-%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%A7%E4%B8%80%E7%95%AA%E3%83%9B%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AA-ibuyer-%E3%81%A8%E3%81%AF-%E5%89%8D%E7%B7%A8-75bbfb638613
3) “What is an iBuyer – How it works and is it worth it?”, OPENDOOR GUIDE.
https://www.opendoor.com/w/guides/what-is-an-ibuyer
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