SBG 孫正義の経営指針「孫の二乗の兵法」戦略編を詳細解説したよ

孫正義の考え方
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こんにちは、アロハ父さんです。

ビジョン編に引き続き、今回は5行のうち3行目「戦略」についてご紹介します。この行も孫さんオリジナルの文字たちであり、私個人的には最も面白い話だった行です。孫さんの講義も熱がこもっていました。

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「一・流・攻・守・群」は第一人者たらんとする者の闘い方

「一・流・攻・守・群」は、第一人者たらんとする者の闘い方(孫正義オリジナル)になります。

No.1戦略のこと。圧倒的なNo.1でないとダメ。

圧倒的No.1でないと、そのビジネスモデルは時期に利益が出なくなる。
プラットフォームやデファクトスタンダードは、圧倒的No.1になって始めて、その存在意義を長く享受できる。

このNo.1戦略は「孫氏の兵法」、「ランチェスター戦略」にも共通して出てくる。
逆に言うと、圧倒的No.1になる分野しかやらない。やる以上は圧倒的No.1に、プラットフォーム、デファクトスタンダードをとる。

特に情報通信分野ではNo.1にならないと利益は出ない。
ボーダフォンジャパン買収時に幹部と話をした際、彼らから意見が出てくることは無かった。目が死んでる、負け癖がついていると感じた。
そこで、一回だけでも(契約者数)純増No.1を取るぞと宣言し、実際に取らせた。それからボーダフォンは勝ち癖がつき、長くNo.1の地位を保つことが出来た。

1番になると、1番でないと気持ち悪い状態になる。
No.1への強いこだわり。自分がやると決めた分野では圧倒的No.1に拘る、というのは社風として大切。事を成すのに、2番や3番ではできない、そんなに世の中甘くない。どうせ2番だから、、、となってしまう。

2番は敗北だと思え。5番から2番になっても決して頭をなでるな。2番になったら「よしもう少しだ、絶対一番になるぞ」と、もう一段階登れ。
No.1にこだわる、そういう社風を作るべき、そうでないと300年生き残れない。
No.1になって初めて余裕が生まれ、社会に責任を持てる。

アロハ父さん
アロハ父さん

No.1戦略は、孫さんが若いころからずっと言ってきたことですね。

時代の流れを見極めること。流れに逆らってはいけない。時代は、農耕→工業→情報社会だ、この流れに乗る。

孫さんが中学生の頃、造船の来島どっくという会社があり、孫さんの父は社長の坪内さんという方を大変尊敬していました。

しかし、孫さんは父親に向かって、「僕はお父さんのことは尊敬しているけど、そのお父さんが尊敬している坪内さんは尊敬できない、バカだと思う!経営者として失格だ!」はっきり言いました。

何で沈みゆく産業に自分の人生をかけるんだ。流れに逆らう、その時点で経営者として失格。私なら、モノづくりで培ったノウハウを使って別の事業をやる、もしくはノウハウをもって中国で事業をやる。これならわかる。再建王?、ちゃんちゃらおかしい。

ソフトバンクグループは間違っても、斜陽産業に突っ込んではいけない。  
仕掛けて待つ、これなら良い。

川で泳いだことはありますか? 川の流れに沿って泳いだ時と、川に逆流して泳いだ時に、どれだけ進むか。それだけで答えはシンプルです。
  
どのOS(オペレーションシステム)を選ぶかも重要。
孫さんが富士通の社外取締役だった時、当時の富士通の担当役員がOSとしてCP/M選んだことがある。孫さんは、なぜMS-DOSEを選ばないのか、と食って掛かった。するとその担当役員は、孫さんは技術の詳しいことを知らない、と技術の細かいところを説明し始めた。孫さんは、そういうのは技術バカって言うんだ、と言い返しました。

一時的に枝葉が優れているものを選んではダメ、へそ曲がりは事業化に向いていない。
王道は本流でNo1になること。
ニッチの枝葉で成功するのは事業家として失格。

孫さんも良く言われたそうです、「孫さんはニッチから入ったから成功した」と。しかし、、、

孫正義
孫正義

バカなこと言うな!俺はニッチの産業を選んだことは一度もない!

その時はセグメントが小さくても、5年後・・・30年後にそこがメインになる、それを常に選んできた。一時的に有利なものを取ってはいけない。通信方式も。後々メインストリームになるものを選ばなければならない。

営業、技術開発、M&A、新規事業。攻撃は最大の防御なり。

リーダーは攻撃をガンガンやれないとだめ。
営業、技術、交渉どれをやってもピカイチ、全部高いレベルで身につけなければならない。特に情報分野は技術の進展が早い、技術についての深い洞察力を磨かなければならい。

キャッシュフロー経営、コスト削減、投資の効率化、撤退、コンプライアンス、監査、報道リスク。

ソフトバンクグループは、キャッシュフローのことはずっと言われてきた。

ベンチャーのつぶれるときの共通点はキャッシュフロー。だいたい資金繰り。ベンチャー社長は攻撃は強いが、守りが弱いことが多い。攻めるには金がかかる。キャッシュフローマネジメントが非常に重要。
ソフトバンクグループは2015年で実質無借金になることをコミット済(現時点有利子負債があるのでここは公約を果たせてはいませんが、株式を売却すれば問題なし)。

また、違法なことはやってはいけない。その時に違法でなくても、法律は時代・国で変わる。やはり正しいことをやらないといけない。
天下りを受け入れている企業、、、数十年後に田沼意次(江戸時代にわいろ政治で有名)と言われるだろう。一発退場になる可能性だってある。

同種的結合、 戦略的シナジーグループ、 マルチブランドのこと。

ソフトバンクグループは30年以内に5000社の軍団を作る、群戦略を公言している。
群戦略、これは自立していて、分散していて、そして協調した軍団。もちろん資本的結合を併せ持つ形で。

そうでないと300年は続かない。成長が落ちる。ここがソフトバンクグループが世界中の他企業と決定的値に違う点。

30年ならシングルブランドが効率が良い。しかし、マイクロソフトやインテルですら成長が鈍っている。シングルブランドの危うさである。

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所感

特に、「一」と「流」が非常に面白かったです。No.1戦略は孫さんが20代の頃の講演でも語っており、もちろん一貫しています。日本には数多くの会社がありますが、2番手以下に甘んじている事業、そしてそれでも食っていけるから良いや、と考えている経営者は多くいると思います。No.1でないと高い利益率を得られず、外部要因の変化ですぐに経営が傾いてしまうことはよく指摘されていますね。逆にNo.1だと、市場環境が良くないときに、下位の会社を食ってしまうなど、反対に勢力を拡大することも容易になります。

ソフトバンクグループは「守」に対する市場評価が低いですが、私から見ると、「守」も問題なく、どれも非常にハイレベルな状態だと感じます。

次回は、「リーダーとしての心得」の回です。どうぞお楽しみに。

アロハ!

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