こんにちは、アロハ父さんです。
ソフトバンクG 孫正義社長の大ファンです。
SBG株を2000株保有しています。
世界最先端のビジネスモデルを勉強するための、ソフトバンクビジョンファンドシリーズ。
第15弾となる今回は、コロンビア発の宅配プラットフォームのRappi(ラッピ)を紹介します。
SBG副社長のマルセロクラウレ氏がボリビア出身で、中南米の投資に精通していることから始まったLatAm Fund。その最初の投資先であるRappiは、ソフトバンクGによる投資で中南米で第3位の評価額を誇るユニコーン企業になりました。
Rappi(ラッピ)の基本情報
企業名 | Rappi |
事業内容 | 宅配プラットフォーム |
創業年 | 2015年 |
創業者 | シモン・ボレロ(Simón Borrero)、セバスティアン・メヒア(Sebastian Mejia)、フェリペ・ビジャマリン(Felipe Villamarin) |
展開国 | 9か国(コロンビア、メキシコ、コスタリカ、ペルー、エクアドル、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル)と200を超える都市 |
CEO | シモン・ボレロ |
SVF出資額 | 10億ドル(2019年4月) |
評価額 | 35億ドル(2021年6月) |
創業者のシモン・ボレロは、コロンビア生まれの37歳(2021年現在)。
Universidad de Los Andes(アンデス大学、ボゴダ)時代から積極的に事業を興し、Rappiの前に既に4社を起業していました。 2013年にセバスティアン・メヒアと創業したGrabilityでは、オンラインショッピング用のソフトウェアを開発し、Walmartやリライアンス(インド)の大手小売業者にライセンス供与することに成功しました。
技術力は一流と言えますね
そして2015年に自ら配送サービスも行うRappiを設立しました。
【Rappi(ラッピ)のビジネスモデル】南米のDoorDash
Rappiのビジネスモデルは上図のようになると思われます。
以前紹介したDoorDashと同じですね。
ユーザーのメリットとしては、時間効率とレコメンデーションがあります。
配達員の位置情報をリアルタイムで取得し、AIを活用することで最短での配送時間を達成し、より早く届く仕組みです。
また、過去の購買履歴からカスタマイズしたレコメンデーションとともに、レストラン側には需要予測を提供していくことになり、Rappiの利用者数の増大に伴って精度が向上していくと思われます。
これもDoorDashの時と同じですが、AIはデータ量とともに賢くなるため、先行者の優位性が大きくなりやすいです。
ソフトバンクGからの大きな資本提供を活かして、シェア拡大を優先していくことができます。
Rappiはフードデリバリー業者で、しばしば中南米のUber Eatsと表現されることがあります。
しかし、実際は生鮮食品、薬品、日用品、さらには現金(マジ!?)まで配送していることからも、Uber Eatsよりも米DoorDashが目指すビジネスモデルに近いと言えます。
【Rappi(ラッピ)の将来性】多様なデリバリー+スーパーアプリ化
ラテンアメリカでは、自転車やバイクによるデリバリーサービスは時間効率の面でメリットが大きく、浸透しやすいと言われています。
交通インフラが脆弱であるため、渋滞が発生しやすいからです。
そんな中で、Rappiはフードデリバリーだけでなく、さまざまな生活用品の配送を行います。
フードデリバリーを含めたラストワンマイルのビジネス市場は大きく(日本国内だけでも2.5兆円@2020年)、マーケットサイズという意味では、Rappiは大きく飛躍できる可能性を持ってると考えられます。
また、フードデリバリーを注文するRappiアプリは、それ以外にも公共料金の支払い、犬の散歩、レンタサイクル(向こうでは電動キックボード)、決済サービスとしてRappi Payも備えており、いわゆるスーパーアプリを目指していることが分かります。
生活のありとあらゆるところにRappiが浸透できれば、ラストワンマイルビジネスを超えた巨大きな規模になる、とまで期待してしまいます!
さらに、ラテンアメリカの人口規模は6億人であり、世界人口の8.4%を占める無視できない市場と言えます。
GDPは(おおよそ)人口×生産性で決まってくるものです。
中南米は、既に人口はそれなりに大きく、生産性の伸びしろが大きそうなので(←AIによって実現!)、早いうちに投資するのは、有用な手だと感じます。
【Rappi(ラッピ)の課題】ライバルはiFood
ラテンアメリカで最も大きな市場はブラジル(2020年のデリバリー市場の49%)です。
ここには、Rappiの競合として、iFood、Uber Eatsなどがいますが、マーケットリーダはiFoodであり、この点においては後塵を拝しています。
Rappiはコロンビアでは市場シェア60%強を誇る圧倒的No.1ですが、ブラジルではiFoodに遅れをとっています。コロンビア発なので仕方ないですが。
一方で、下図に示すとおり、現在の南米ユニコーンの評価額ランキングではRappiが3.5億ドルであるに対して、iFoodは1億ドルに留まっています。
なんでこんなに差が付いているのか、理由は分かりません。SBGが10億ドルも資金提供したのが効いているのかも。
また、iFoodと異なるRappiの強みが、「ハイパーローカライズ」であることも言われています。
レストラン、薬局、金融サービスなど、各都市の特徴をユーザーごとに近隣レベルに分類し、ユーザー、商取引、個人のローカルニーズから、可能な限り最高のローカルソリューションを提供しているようです。
地域の特徴に合わせたソリューションを提供することで、顧客満足度を高める事ができますね。
ここにAI技術を使っていくのでしょう。
大きな商取引でなくとも、一つ一つが小さいローカルな商取引を制覇すると、凄まじく大きなビジネスになるはずです。
【Rappi】まとめと所感
コロンビア発の宅配サービスを手掛けるRappiを紹介しました。
Uber Eatsというよりは、食品、薬品や金融サービスなど、幅広い商品についてラストワンマイルの配送を担うことを目指していることから、DoorDashに近いモデルかなと感じました。
コロンビアではシェア60%強のシェアを誇っていますが、中南米で最大市場のブラジルでライバルに勝って大成功することを期待しています。
それでは、アロハ!
参考文献
※1)LATIN AMERIACA BUSINESS STORIESより引用
(https://labsnews.com/en/articles/business/home-grocery-delivery-wars-heat-up-in-latin-america/)
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